1分で読める労務管理のポイント

契約期間の途中の解雇は可能か   ( 2011.10.11 )

期間を定めて(例えば、1年間)雇用しているパートや契約社員を、その期間の途中で辞めさせることはできるのでしょうか。

実は、期間契約社員を解雇するのは、期間の定めのない社員を解雇するより難しいです。可能な限り、期間満了まで待って、契約更新をしない方法で対応していくのが実務上は、よいと思います。

結論は書いてしまったのですが、それでもどうしても解雇したいという事業主のために、解雇するときのポイントを書いてみたいと思います。まず法律上、労働契約法第17条と民法628条を考慮する必要があります。

労働契約法第17条1
使用者は、期間の定めのある労働契約において、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。

民法第628
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

条文を見ると、絶対に解雇することができないわけではなく、「やむを得ない事由」があれば、解雇は可能と考えることができます。では、「やむを得ない事由」とはどのようなものが該当するのでしょうか。

会社側・・・・経営不振・事業所閉鎖など
労働者側・・・経歴詐称、怪我や病気、再三にわたる業務命令違反など
  ※実際は、個別具体的事由により総合的に判断されます。

 このような「やむを得ない事由」があれば、解雇事由には該当してくるでしょう。しかし、会社側の「やむを得ない事由」である場合は、損害賠償責任が生ずる可能性があるので注意が必要です(本来、契約期間中にもらえるはずだった賃金がもらえなくなるため)。一方、労働者側の「やむを得ない事由」であれば、30日前に解雇予告をすることによって、解雇することができると思われます(ただし、別途、解雇権の濫用に当たるかどうかは判断されます)。

実務上のポイント
理論的には、解雇可能ですが、相当の合理的な理由が必要になるため、契約期間満了による契約終了とするのが実務上一般的です。

執筆者:社会保険労務士 福井研吾

配置転換をするときのポイント

「1分で読める労務管理のポイント」一覧へ

ご相談・お問い合わせはお気軽にどうぞ

業務内容

1分で読める労務管理のポイント

良い会社を作ろう! ~現場レポート~

良い会社を作ろう! ~現場レポート~

雑誌「INDUST」

雑誌「INDUST」

産廃処理業界の人を活かす労務管理のポイント」を2年間連載しました。

メンタルヘルスマネジメント

雑誌「メンタルヘルスマネジメント」

メンタルヘルスマネジメント(2013年6月号)に、記事が掲載されました。

開業社会保険労務士専門誌SR

開業社会保険労務士専門誌SR

開業社会保険労務士専門誌SR(第23号)に、記事が掲載されました。

Facebook

福井 研吾のFacebook

対応強化エリア

名古屋市 千種区 名古屋市 東区
名古屋市 北区 名古屋市 西区
名古屋市 中村区 名古屋市 中区
名古屋市 昭和区 名古屋市 瑞穂区
名古屋市 熱田区 名古屋市 中川区
名古屋市 港区 名古屋市 南区
名古屋市 守山区 名古屋市 緑区
名古屋市 名東区 名古屋市 天白区