1分で読める労務管理のポイント

介護休業の対象者とは   ( 2011.11.29 )

クライアントから、ときどき介護休業は、どうような社員に対して与えればいいのでしょうかとの質問をいただきます。

 

育児介護休業法では、
第2条(定義)
2  介護休業 労働者が、第三章に定めるところにより、その要介護状態にある対象家族を介護するためにする休業をいう。
3 要介護状態 負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、厚生労働省令で定める期間にわたり常時介護を必要とする状態をいう。
4 対象家族 配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)、父母及び子(これらの者に準ずる者として厚生労働省令で定めるものを含む。)並びに配偶者の父母をいう。

 

実務上は、要介護状態に該当するかどうかがポイントになります。

 

要介護状態とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態のことをいいます。

常時要介護状態を必要とする判断基準は、次のいずれかに該当するものです。

1 日常生活動作事項のうち、全部介助が1項目以上及び一部介助が2項目以上あり、かつ、その状態が継続すると認められること。

日常生活動作

1自分で可

2一部介助

3全部介助

歩行

・杖等を使用し、かつ時間がかかっても自分で歩ける。

・付添いや手や肩を貸せば歩ける。

・歩行不可能

排泄

・自分で昼夜とも便所でできる。

・自分で昼は便所、夜は簡易便を使ってできる。

・介助があれば簡易便器でできる。

・夜間はおむつを使用している。

・常時おむつを使用している。

食事

・スプーン等を使用すれば自分で食事ができる。

・スプーン等を使用し、一部介助すれば食事ができる。

・臥床のままで食べさせなければ食事ができない。

入浴

・自分で入浴でき、洗える。

・自分で入浴できるが、洗うときだけ介助を要する。

・浴槽の出入りに介助を要する。

・自分でできないので全て介助しなければならない。

・特殊浴槽を使っている。

・清拭を行っている。

着脱衣

・自分で着脱ができる。

・手を貸せば、着脱できる。

・自分でできないので全て介助しなければならない。

 

2 問題行為のうちいずれか1項目以上が重度又は中度に該当し、かつ、その状態が継続すると認められること。

問題行動

重度

中度

軽度

攻撃的行為

人に暴力をふるう

乱暴なふるまいを行う

攻撃的な言動を吐く

自傷行為

自殺を図る

自分の体を傷つける

自分の衣服を裂く、破く

火の扱い

火を常にもてあそぶ

火の不始末が時々ある

火の不始末をすることがある

徘徊

屋外をあてもなく歩きまわる

家中をあてもなく歩きまわる

ときどき部屋内でうろうろする

不穏興奮

いつも興奮している

しばしば興奮し騒ぎたてる

ときには興奮し騒ぎたてる

不潔行為

糞尿をもてあそぶ

場所をかまわず放尿、排便をする

衣服等を汚す

失禁

常に失禁する

時々失禁する

誘導すれば自分でトイレに行く

 

介護休業は、まだまだ取得者がそれほど多くないのが現状です。しかし、これからの高齢化社会を考えると、今後介護休業の取得は、ますます増えることが予想されます。どのような場合ならば、許可できるのかをしっかりと把握する必要があるでしょう。

執筆者:社会保険労務士 福井研吾

労働条件の不利益変更はできるのでしょうか

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