1分で読める労務管理のポイント

個人情報が漏洩した場合の損害賠償額は   ( 2011.12.13 )

個人情報が漏洩した場合、損害賠償額はどのぐらいになるのでしょうか。

同じ個人情報でも、よりセンシティブな情報が漏洩したときのほうが、やはり損害賠償の額が大きくなる傾向があります。また、全般的にそれほど高額にならないのが特徴になります。

 

判例

漏洩した個人情報

損害賠償額

宇治市住民基本台帳大量漏洩事件

氏名・住所・性別・年齢

15,000円

TBC個人情報漏洩事件

氏名・住所・電話番号・スリーサイズなど

35,000円

Yahoo! BB個人情報漏洩事件

氏名・住所・メールアドレスなど

6000円

 

宇治市の住民基本台帳大量漏洩事件では、基本4情報(氏名・住所・性別・年齢)が漏洩して、1人10,000円+弁護士費用5000円。TBCの個人情報漏洩事件は、実際に二次被害などが発生した方には、30,000円+弁護士費用5000円。二次被害が確認されなかった方には、17,000円+弁護士費用5000円。Yahoo! BBの個人情報漏洩事件は、個人情報漏洩の発覚により、Yahoo! BB全会員に500円の金券を送ったのも特徴です。そのような対応をとっていたのが、裁判に影響したのがどうかは不明ですが、他の事件に比べると若干安い5000円+弁護士費用1000円となります。

 

損害賠償額が、いくらなるかについて、NPO日本ネットワークセキュリティ協会は、漏洩個人情報の価値と、個人情報漏洩元企業の社会的責任度と事後対応評価によって、決まるとしています。

 

また、個人情報は、基本情報、経済情報、プライバシー情報の組み合わせです。 下記のマトリックスを見ても分かるように、左下の「低」の個人情報よりも、「中」や「高」の個人情報が流出したほうが、損害賠償額は高くなります。TBCの個人情報漏洩事件では、スリーサイズという女性にとって、より漏洩してほしくないセンシティブな情報であったために、より高い損害賠償額になったと思われます。

 

 

企業によっては、とてもセンシティブな個人情報を取扱っていると思います。社員研修や、セキュリティ強化などしっかりとした対策をとる必要があるでしょう。

 

「個人情報の漏洩対策は大丈夫ですか」については、こちら

 

執筆者:社会保険労務士 福井研吾

個人情報の漏洩対策は大丈夫ですか

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