1分で読める労務管理のポイント

休日は特定しなければいけないのか   ( 2012.02.07 )

建築業など屋外で仕事をする企業から「雨の日を休日にしたいのですが、問題ありませんか」あるいは、介護事業者から「お客様がキャンセルをしたので、担当者を休みにしたいのですが、注意点はありますか」と質問を受けることがあります。

 

雨やお客様の都合で、仕事ができなくなった場合、会社としてはどのような点に注意する必要があるのでしょうか。通常、勤務日(働く日)に会社が一方的に、従業員に対して、働かせない、つまり、お休みにさせる場合は、休業手当を支払わなければなりません。

 

休業手当とは、
労働基準法第26条(休業手当)
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。

 

と定められています。使用者の責に帰すべき事由とは、不可抗力以外の休業、例えば、原材料不足による休業などをいいます。不可抗力以外とは、かなり広い範囲が該当し、経営上予見可能かどうか、休業を避けるために最善の努力をしたかどうかが判断基準になります。つまり、今回のケースのように、雨が降ったため勤務日を休ませる、あるいは、お客様がキャンセルしたので勤務日を休ませる場合、休業手当の支払いが必要だと考えらます。

 

しかし一方で、労働協約、就業規則又は労働契約により休日と定められている日については、休業手当の支払い義務は生じない【昭和24.3.22基収4077号】と通達に記載があります。

 

では、雨やお客様の都合によるキャンセルの日を、休日とすることは可能なのでしょうか。

 

休日は法律上どのような記載になっているかというと

労働基準法第35条(休日)
使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
2 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

 

この条文を読む限り、休日の特定までは、必要とされていません。そして、休日は、暦日(午前0時から午後12時までの24時間)与えるのが原則です。【昭23.4.5 基発535号】

 

よって、就業規則上に休日の振替の記載があり、前日の勤務時間終了日までに休日の指定(振替)がなされたのであれば、その日は、労働基準法上の休日となり、休業手当の支払い義務はないと考えられます。しかし、当日出勤後に、その日を休日としても指定した場合は、これは『休業』にあたるため、休業手当の支払い義務が発生します。

最も、労働者保護の観点から、休日は特定したほうが望ましいのはいうまでもありません。

執筆者:社会保険労務士 福井研吾

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